The College Boardが発表した3つの方針とは?
2021年1月19日に、SATを主催しているThe College BoardからSATの3つの方針が公開されました。
発表のタイトルは、An Update on Reducing and Simplifying Demands on Students(学生への要求を削減・単純化する最新情報)というものでした。
SATとは?
SATとは、SAT Reasonoing TestとSAT Subject Testの2種類から成り立っている、アメリカの大学入試の出願時に提出する学力テストです。
SAT Reasoning TestとSAT Subject Test の違いとは?
SAT Reasonoing Testとは、ほとんどのアメリカの大学入試の出願において、提出を要求されてきた共通学力テストです。しかし、2021年度の入試(終了済み)では、新型コロナの影響によりほぼ全てのアメリカの大学がSAT論理試験の提出を任意としていました。
2021年度のSAT論理試験は、1600点満点のテストで以下の2つのセクションで成り立っていました。
- Evidence-Based Reading and Writing
- Reading (読解)
- Writing and Language (ライティング)
- Mathematics (数学)
SAT Subject Test (科目試験) とは、ほとんどのアメリカのトップ大学がSAT論理試験に加え、2〜3科目の提出を必須としてきた科目試験です。
英語、数学、歴史・社会学、語学、自然科学の5分野・20科目から自分の専攻や得意不得意を考慮して、受験します。
この記事では、The College Board の2021年1月19日の発表について、その内容と日本からの留学生に与える影響を解説します。
第一発表:SAT科目試験が受験廃止
SAT科目試験が2021年6月いっぱいで受験廃止と発表されました。
”APが低所得者や有色人種の学生にも広く汎用したことにより、SAT科目試験は学生の知識を図るために必要ではなくなりました”
https://allaccess.collegeboard.org/update-reducing-and-simplifying-demands-students
AP(Advanced Placement) とは、大学の一般教養の科目を高校で任意で取得できる制度で、受講した際アメリカの大学の入学判定で有利になります。
このAPが以前受験が難しかった低所得者などにも近年普及したことで、SAT科目試験は今後必要ではないと判断したとのことです。
第二発表:SAT Reasoning Testの小論文が2021年7月以降受験廃止に
”SAT小論文以外での小論文執筆力の測定を”
https://allaccess.collegeboard.org/update-reducing-and-simplifying-demands-students
2021年度のSAT Statistical Testは、Evidence-Based Reading and WritingとMathematicsの2セクションがありました。
この2つのセクションに加え、ほとんどのアメリカの大学がオプショナルであるEssay (小論文)の提出を必須としていました。
しかし、現在はSAT小論文以外での小論文執筆力の測定が可能なので、2021年7月以降は受験を廃止するとのことです。
第三発表:オンライン試験など、柔軟性の高い取り組み
“パンデミックは、革新的で将来に適応する重要性を強調しました。現在、私たちはSATをより柔軟性のあるツールするために、多額の投資を行っております。幼稚園から高校までの教育員と議論しており、今年の春後半に詳しい情報を共有しようと考えています。”
https://allaccess.collegeboard.org/update-reducing-and-simplifying-demands-students
新型コロナウイルスの影響で対面での受験が不可能になり、ほとんどのアメリカの大学がSATを入学判定の基準から断念せざるを得ない結果となりました。
そこで、The College Boardはオンライン受験を導入するなどの対策を取るとのことです。
廃止された項目以外の受験対策を入念に
希望する大学の入学審査基準の項目を把握し、受験対策をしましょう。SAT小論文とSAT Subject Testの廃止されたことにより、入学審査基準で他の項目がより重要視されます。
例えば、カリフォルニア大学ロサンゼルス校では、以下の項目の提出が必要になります。
- 高校の成績
- 大学専用の小論文
- SAT Reasoning Test
- 課外活動
- TOEFL
受験を逃さないように、情報のアップデートを
アメリカの大学の受験のタイミングを逃さぬよう、The College Boardや受験希望大学の情報にアンテナを張っておきましょう。「SAT論理試験が2022年度の入試で必須とされるのか」「オンラインで受験できるのか」などとの受験において重要な情報は今後各大学やThe College Boardから更新されますので、定期的にチェックしておきましょう。
当サイト ToBay、渡米 でも、アメリカの大学の受験を希望する人たち向けに、情報発信を行っていく予定です。よろしければ、Twitterのフォローもよろしくおねがいします。
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